Web制作会社と顧客との間でのトラブルは様々な理由で発生しますが、その最大の理由は「顧客がホームページ制作をWeb制作会社に丸投げしてしまう」ことです。
知識が少ない顧客にとって、ホームページは身近なものでありながら、その制作には専門的な知識が必要とされる難解なものでもあります。そのため「プロに任せておけば安心だろう」と丸投げすることが多く、それがトラブルの種になってしまっています。
顧客が必要としているホームページを制作するには、顧客自身がWebの知識を持ち、ホームページの目的をはっきりとさせて、Web制作会社と適切な契約を結ぶことが重要です。顧客にとってこれらは大きな負担となりますが、非常に大切なことと言えるでしょう。
目次
Web制作会社と顧客との間で発生しがちなトラブル8選
ホームページ制作を丸投げしてしまうことで発生しがちな8つのトラブルと解決方法を解説します。
Web制作会社と音信不通になってしまう
ホームページ制作中にWeb制作会社と音信不通になってしまうケースがあります。制作会社ではなくフリーランスに依頼したケースでもたびたび発生します。
報酬の支払い前ならまだましですが、着手金や報酬の一部を支払った後に音信不通になってしまうというケースもあります。どのような手段でも連絡が取れなくなってしまった場合は、弁護士さんや消費者センターに相談して解決を試みましょう。
修正依頼に大幅な費用がかかってしまった
ちょっとした修正の依頼なのに大幅な費用を請求されてしまうことがあります。実際のところ、顧客の立場では簡単に思える作業でも、Web制作会社からすると案外やっかいな作業であることもあり、適正な費用を見積もるのが難しいケースもあります。
ただ望外な修正費用を請求するWeb制作会社があるのも事実です。ホームページ制作は順調に進むものではないと心得たうえで、契約時に修正回数や修正にかかる費用などを予め取り決めておきましょう。
ホームページ完成後にも費用を請求された
ホームページ完成後に費用を請求されてトラブルになることがあります。知っておいて欲しいのは、ホームページはインターネット上に公開しているだけでも、少なくともサーバー代とドメイン代は必要です。
Web制作会社によっては、さらに管理費や運営費という名目で費用を請求することがあります。ホームページ完成後に請求される費用の内訳を把握して、適正な金額であるかどうか確認しておくことが重要です。
納期になってもホームページが完成しない
ホームページ制作には通常納期が設定されますが、納期になってもホームページが完成しないことは多々あります。その理由の多くは、Web制作会社のスケジュール管理ミスですが、別の理由として、より報酬の高いホームページ制作を優先してしまっているケースも考えられます。
納期通りのホームページを完成させるには、顧客側から進捗状況を逐一確認していくことが効果的です。また担当者のレスポンスが悪い時は、別の担当者に変更してもらうことも検討すると良いでしょう。
出来上がったホームページが思っていたのと全然違う
出来上がったホームページを見てみたら、思っていたのと全然違うというケースもあります。見た目、動き、機能など思っていたのと違う要素はさまざまです。
通常、ホームページ制作はいくつかの工程に分かれて進みます。まずはグラフィックソフトでデザインを作成し、それからHTML・CSSによるコーディングと進むのが一般的です。ECサイトのように機能が絡むWebサイトの場合、開発に入る前に機能を洗い出す工程があるはずです。
冒頭でも解説したように、ホームページ制作を丸投げにしてしまうと、この手のトラブルが発生します。ホームページの発注時には、Web制作会社にデザインや機能などの具体的なイメージを伝えて、工程ごとに顧客がチェックできるような体制を設けてもらうと良いでしょう。
検索エンジンで探してもホームページがでてこない
完成したホームページをGoogleなどで検索しても、検索結果一覧に全く表示されないこともあります。ホームページを検索エンジンに表示されるように対策することを「SEO」と言います。
実際のところ、百発百中で自社のホームページを上位に表示させることは不可能と言わざるを得ません。検索結果のコントロールはGoogleなどの検索エンジン側で行っており、Web制作会社側ではどうすることもできないからです。
加えて、強力な競合がいる場合は更にSEOの難易度があがります。また適切なSEOを行ったとしても、上位に表示されるまで数か月単位の時間も必要です。
このような実情を踏まえると「御社のホームページを確実に上位表示させます」などと強気に営業してるWeb制作会社の方がむしろ怪しいのかもしれません。
ただし全く打つ手がないわけではないので、SEOを重視したホームページを制作するのであれば、依頼先のWeb制作会社のSEOの実績を確認しておくことが一番です。
「ホームページのデータは渡せない」と言われた
Web制作会社を切り替えるなどのタイミングでホームページのデータが必要となった時に、ホームページのデータは渡せないと言われてトラブルになることがあります。よくあるのが「著作権はうち(Web制作会社)にある」と言われるケースです。
またPhotoshopやIllustratorなどのデザインデータ(PSDやAIファイル)などの中間成果物は提供不可と言われるケースもしばしばです。
このトラブルを避けるためには、契約書をしっかりとチェックして、著作権が発注元に帰属するかどうか、Web制作会社が著作人格権を行使しないことを確認しておきましょう。
Web制作会社が廃業してしまった
ホームページを制作したWeb制作会社が廃業してしまうケースもあります。またフリーランスにホームページ制作を依頼した場合も、廃業してしまっていることが多々あります。
ホームページを制作した会社あるいはフリーランスが廃業してしまっていると、更新が滞ったり、ホームページ自体が削除されてしまうこともありえます。しかも事前に連絡してくれるとも限りません。
このような時のために、ホームページを設置してあるレンタルサーバーやドメインの手配・更新は出来る限り顧客の側で行っておくと良いでしょう。そうすればWeb制作会社が廃業したとしても、ホームページがなくなってしまうことはないはずです。
契約前に口コミやポートフォリオをよく確認しよう
Web制作会社にホームページ制作を依頼する前に、インターネット上の口コミやポートフォリオをよく確認しておきましょう。
悪い口コミの多いWeb制作会社に依頼してしまうと、ここで紹介したトラブルに巻き込まれる可能性があります。もちろん口コミのすべてを信用するべきではありませんが、参考にはなります。
またWeb制作会社が公開しているポートフォリオを事前に確認しておくこともおすすめです。ポートフォリオとはWeb制作会社の制作実績のことで、これを確認しておけば、Web制作会社のクオリティや技術力を推し量ることが可能です。
ホームページ制作には多大な費用が掛かります。失敗をできるだけ防ぐためにも、口コミやポートフォリオを確認して慎重に契約することをおすすめします。